貴重な文化芸術資産の継承と文化芸術作品との新しい出逢い。

私たちNTT ArtTechnologyは、人類が歴史的に培ってきた文化芸術を守り、未来へと継承していくとともに、新しい鑑賞体験をご提供する取り組みを進めてまいりました。この度先進技術を用いて高精細にデジタル化した芸術作品を、お手元に設置いただく「4Kモニター」にネットワークを通じて配信するサービス「ArtTechView」(アートテックヴュー)を開始いたしました。NTT東日本・西日本の高速かつセキュアな回線を使用することで、これまでネットワークで扱うことが難しいとされてきた所蔵元認定の高精細大容量画像の配信が可能となりました。

配信する作品は、洋の東西を問わずさまざまな有形・無形の文化財をラインナップ予定ですが、サービス開始にあたりましては、日本画の絵画形式のひとつで、江戸期に庶民に親しまれた「浮世絵」から出発いたします。
中でも、風景浮世絵版画という新しいジャンルを切り開いた2大作品、葛飾北斎 の「冨嶽三十六景」、歌川廣重の「東海道五拾三次」は、19世紀に海を渡り、特にフランスの印象派の画家たちを虜にし、大きな希望と影響を与えました。そして現在でも世界中の人々の目を惹きつけて止みません。
そこで私たちは2大浮世絵師によるこれらの作品からご提供することにいたしました。
これらの作品を、原画の色彩のみならず、和紙の繊維や版木の木目といった素材の質感まで忠実に複製し、デジタルデータ※として配信いたします。

これまで、私たちが文化芸術作品を鑑賞するには、博物館や美術館に足を運ぶことが常でした。しかし、展示による品質劣化から作品をできるだけ保護するために、展示ケース等に格納し照射光量を制限した環境下で展示されるため、作品に近づいて時間をかけて鑑賞することが困難でした。
また、公開されていない時期もあり、いつでも好きな時に鑑賞できるというわけではありません。ここには作品の「公開」と「保存」というジレンマが存在します。
さらに、2020年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、博物館や美術館に足を運んで作品を気軽に鑑賞することが難しくなってきています。

こうした環境下で私たちは、精緻なテクノロジーと現代の職人による繊細な技法によってデジタル化された作品を、ご自宅やオフィス、学校、病院や介護施設など、皆さまにとって身近な場所にネットワークを介して配信し、作品の細部をじっくりとご覧いただくサービスを開発いたしました。

生活空間の中で技術の粋を結集した作品をご覧いただき、原画を博物館や美術館で愉しむのとは異なる鑑賞体験を、本サービスを通じてお愉しみいただければ幸いです。

芸術作品との出逢いがより身近で豊かなものになり、かけがえのない貴重な文化芸術資産が後世に継承されてゆくことに、私たちは貢献してまいります。

※配信される画像データはいずれも所蔵元の公式な認定を得て、アルステクネグループが制作・保有するデジタルリマスターデータを使用しております。
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