北斎館所蔵作品の高精細デジタル化
背景と目的
NTT東日本とNTT ArtTechnologyがアルステクネと連携し展開している「Digital×北斎」プロジェクトにて、「Digital×北斎」特別展後、北斎が晩年に小布施で遺した肉筆画作品や祭屋台に注目し、高精細デジタル化を進めてきました。長野県小布施町にある北斎館には数多くの北斎の肉筆画作品のほか、上町祭屋台・東町祭屋台(長野県宝)といった二基の祭屋台も展示されています。作品の保存の観点はもちろん、二基の祭屋台に関しては移動が困難な作品でもあることから、北斎ファンの間でも知る人ぞ知る作品となっていました。そこで、北斎館所蔵の肉筆画作品や上町祭屋台・東町祭屋台およびその天井絵の高精細デジタル化を行い、作品を保存するとともに、多くの方に高精細複製画や3Dデジタルアプリケーションを通じた観賞をご体感いただきました。
取り組み内容
2023年に、葛飾北斎の絶筆とも言われる「富士越龍」を含めた肉筆画5作品15点のデジタル化を行いました。さらに、小布施町に現存する7基の祭屋台のうち、北斎館に寄託されている東町祭屋台と上町祭屋台およびその天井絵のデジタル化も実施しました。肉筆画15点および計4面の祭屋台天井絵の高精細デジタル化には、アルステクネが有する特許技術「三次元質感画像処理技術(DTIP)」を用い、祭屋台本体のデジタル化については最新のフォトグラメトリの技法を用いています。 デジタル化した作品は、国内外の多くの方々に高精細複製画やデジタルアプリケーションを通じてご鑑賞いただきました。


北斎館
北斎は計4回小布施を訪れ、滞在中に晩年の集大成である肉筆画に力を注ぐとともに、地元の東町祭屋台天井絵(龍・鳳凰)、上町祭屋台天井絵(男浪・女浪)の他、岩松院本堂天井絵「鳳凰図」(八方睨み鳳凰図)を描きました。1966年にソ連(当時)で肉筆画を中心とした北斎の展覧会が開催され、小布施からも多くの作品を出品し、小布施の北斎が広く世に知られました。以来小布施町内において北斎美術館の建設機運が高まり、1976年に北斎館が開館。東町・上町の二基の祭屋台を常設展示している他、肉筆画や版画、版本などを多数所蔵し、北斎の画業を広く紹介しています。
