背景と目的

NTT東日本とNTT ArtTechnologyがアルステクネと連携し展開している「Digital×北斎」プロジェクトにて、「Digital×北斎」特別展後、北斎が晩年に小布施で遺した肉筆画作品や祭屋台に注目し、高精細デジタル化を進めてきました。その中でも、小布施に遺した上町祭屋台・東町祭屋台の4枚の天井絵、そして北斎が生涯で唯一創作に関わった立体作品と言われる祭屋台装飾を中心に、北斎の画業を振り返り、​晩年にたどり着いた革新への道を紹介する展覧会「Digital×北斎【急章その2】」展を開催しました。2019年より開催してまいりました「Digital×北斎」展シリーズの集大成として、「真正の画工」を目指し、ついには絵画の域を超え、時空間演出にまでいたった北斎の生涯の道のりを紹介しました。

展示概要

本展覧会では北斎の生涯を大きく6つの時代に分け、それぞれの時代を代表する作品を紹介するとともに、北斎の創作活動が当時の社会においてどのような意味や影響を持っていたのかを、現代からの視点も交えて考察しています。 
中でも、最終章となる第6章では、これまで小布施の北斎館でしかご覧いただくことのできなかった東町祭屋台・上町祭屋台(いずれも長野県宝)およびその天井絵を、高精細複製画と新たに開発した3Dデジタルアプリケーションで細部までご鑑賞いただきました。特に上町祭屋台については、北斎が第二層部分に設置されている飾人形「皇孫勝」「応龍」の監修を行っており、天井絵の「男浪」「女浪」およびそれぞれの縁絵とあいまって、北斎による時空間演出をご体感いただけました。

序章 北斎の生涯

  • 葛飾北斎の生涯を年表パネルなどを用いて紹介。

第一章 画工北斎の誕生

1-1:勝川派と北斎

  • 勝川派と北斎について、パネルを用いて紹介。

1-2:優美を画く 宗理様式

  • 柳下傘持美人:北斎館所蔵

第二章 メディアクリエーター北斎 読み本挿絵と通信教育出版

  • 北斎が描いた絵手本や読本挿絵について、パネルを用いて紹介。

第三章 物語と肉筆画

  • 詠歌美人図:似鳥美術館(公益財団法人似鳥文化財団)収蔵
  • 白拍子:北斎館所蔵
  • 花和尚圖:似鳥美術館(公益財団法人似鳥文化財団)収蔵

第四章 錦絵の革新(風景錦絵の誕生) メディアで市場をつくる

4-1:冨嶽の技法

  • 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」「東海道品川御殿山ノ不二」:山梨県立博物館所蔵

4-2:北斎ブルー

  • 冨嶽三十六景「甲州石班澤(藍摺り)」「甲州石班澤」:山梨県立博物館所蔵

4-3:海を越えた北斎

  • 冨嶽三十六景「隅田川関屋の里」「従千住花街眺望ノ不二」「遠江山中」:山梨県立博物館

4-4:新ジャンル風景錦絵時代の到来

  • 諸国名橋奇覧「かめゐど天神たいこばし」「すほうの国きんたいはし」「東海道岡崎矢はきのはし」:似鳥美術館(公益財団法人似鳥文化財団)収蔵
  • 諸国瀧廻り 相州大山ろうべんの瀧:個人蔵
  • 詩哥冩真鏡「清少納言」「李白」:似鳥美術館(公益財団法人似鳥文化財団)収蔵

第五章 北斎の変革 画業を極める 新たな道 肉筆画

  • 肉筆画帖:北斎館所蔵
  • 菊図(右幅、左幅):北斎館所蔵
  • 雲龍図:似鳥美術館(公益財団法人似鳥文化財団)収蔵
  • 富士越龍:北斎館所蔵

第六章 世界と利他の創造 北斎のクリエイティブディレクションとクリエイティブリーダーシップ

6-1:時空間デザイナー 北斎

  • 岩松院本堂天井絵原図「鳳凰図」:岩松院所蔵
  • 岩松院本堂天井絵「鳳凰図」:岩松院所蔵 ※縦1,500mm×横1,800mm 原画の約1/12
  • 東町祭屋台天井絵「龍」「鳳凰」:北斎館所蔵
  • 上町祭屋台天井絵「男浪」「女浪」:北斎館所蔵

6-2:北斎と教育出版

  • 唐土名所之絵:似鳥美術館(公益財団法人似鳥文化財団)収蔵 ※縦1,330mm×横1,800mm 原画の約10.8倍
  • 百人一首うはかゑとき「持統天皇」「大納言経信」:似鳥美術館(公益財団法人似鳥文化財団)収蔵

デジタルアプリケーション展示

  • 裸眼VR:VRゴーグルを着用することなく、鑑賞者の動作で「神奈川沖浪裏」「東海道品川御殿山ノ不二」を自由に操作し、様々な角度から鑑賞。
  • 3D フローティング・ギガ・ビューワー:上町祭屋台、飾人形「皇孫勝」「応龍」、天井絵「男浪」「女浪」の作品データを非接触で操作し、自由自在に移動・回転・拡大し細部まで鑑賞。
  • 3Dビューワー:立体的に表示されるディスプレイに表示される、上町祭屋台の3Dデータをコントローラーで自由自在に操作(回転・拡大など)して様々な視点から鑑賞。
  • 3Dダイブシアター:「東町祭屋台」、「上町祭屋台」の世界観を正面、左右、床面への4面マルチプロジェクションにより、強い没入感を感じながら体感。
  • フローティング・ギガ・ビューワー®:岩松院天井絵原図「鳳凰図」、岩松院本堂天井絵「鳳凰図」、推定完成復原版、「富士越龍」、「唐土名所之絵」の作品データを非接触で自由自在に拡大し、細部まで鑑賞。
  • Digital×Alcove:「菊図」「肉筆画帖」の世界観を、くぼみのような空間に投影された動画の多面プロジェクションにより、没入感を感じながら体感。

▼作品リスト 
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20241108_01_02.html

東町祭屋台天井絵「鳳凰」「龍」・上町祭屋台天井絵「男浪」「女浪」高精細複製画
「Digital×北斎【急章】その2」展 第四章・第五章 展示模様
3Dフローティング・ギガ・ビューワー 
3Dビューワー
3Dダイブシアター
3Dダイブシアター

開催概要

  • 会期:2024年11月9日(土)~2025年3月30日(日) 
  • 会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーE 
  • 入場料:一般・大学生 1,000円 
  • 主催:東日本電信電話株式会社(現:NTT東日本株式会社)
  • 企画・運営:株式会社NTT ArtTechnology 
  • 監修:久保田巌(株式会社アルステクネ 代表取締役社長) 
  • 企画協力:市村次夫(北斎館理事長) 
  • 協力:株式会社アルステクネ、北斎館、岩松院、山梨県立博物館、公益財団法人似鳥文化財団、株式会社Goolight 
  • 展覧会サイト:https://www.ntt-east.co.jp/art/hokusai-kyusyo2/

お客様の声

立体的な作品を浮き上がるように魅せるなど、デジタルならではの体験が多く、普段とは違った作品鑑賞をすることができ、とても楽しかったです。解説の文章も素晴らしく、とても勉強になりました。(来場者)

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