背景と目的

岩手県では東日本大震災で博物館資料をはじめとする多数の文化財が失われた経験から、郷土の文化財の確実な保全と活用の両立に課題を感じていました。そこで、岩手県立博物館では、文化庁InnovateMUSEUM事業の助成を受け、日本で初めて恐竜の化石が発見された地でもある三陸地方を特徴づけるとともに、幅広い年齢層に訴求力を持つ古生物の化石を3Dデータ化し、レプリカ制作を行う「三陸希望遺産デジタル・アーカイブ構築プロジェクト」を開始しました。 

岩手県立博物館
陸前高田市出身の博物学者 鳥羽源藏氏の収集資料 

モシリュウの上腕骨(複製)
アンモナイトの化石

取り組み内容

岩手県内の博物館5館および早稲田大学の協力のもと、化石および地質標本178点を2D・3Dで撮影し、デジタルデータを制作。それをもとにWeb上でアーカイブを公開するだけではなく、ハンズオンで活用可能な簡易レプリカ制作も実施しました。これらは、資料の学術的情報保全に資するのみならず、学校での授業や親子で参加する町歩きイベントにも活用され、研究や教育、地域活性化に貢献しています。

さらに博物館職員で自ら3Dデータとレプリカ制作を実施できるよう、技術やノウハウを習得するための研修会を実施。県内で3Dデータやレプリカを内製できることが、文化財の保存と活用、研究の可能性をさらに広げていきます。 

研修会の様子:撮影風景
手法はフォトグラメトリで撮影(フォトグラメトリ:一眼レフを使用して静止画から3Dデータを作成)
3Dプリンターを使ったレプリカ制作
3D出力機器を使用

実施概要

  • 実施期間:2024年9月~2025年2月  
  • デジタル化対象:化石や地質標本 
  • 作品点数:178点 
  • 所蔵元情報: 三陸希望遺産デジタル・アーカイブ構築プロジェクト実行委員会 
    1. 岩手県立博物館 
    2. 大船渡市立博物館 
    3. 久慈琥珀博物館 
    4. 陸前高田市立博物館 
    5. 宮古市立貝塚縄文の森ミュージアム 
    6. 早稲田大学 
  • 使用したデジタル技術:フォトグラメトリ/レーザー測定(ハンディスキャン) 

お客様の声

複数館が協働することで、地方の中・小規模博物館が単独で行うには敷居の高いミュージアムDXのスタートアップに挑戦することができました。(博物館職員)

導入したソリューション・サービス