背景と目的

フランス北西部のブルターニュ半島の根元に位置するナント市では、毎年夏に「ボヤージュ・ア・ナント(Le Voyage à Nantes)」を開催し、ヨーロッパを中心に約 100 万人がナント市を訪れます。2025年の「ボヤージュ・ア・ナント」の中心企画として、6 月 28 日(土)~9 月 7 日(日)の間、ブルターニュ大公城/ナント歴史博物館にて「北斎(1760-1849) 小布施北斎館の名作」展(Exposition Hokusai (1760-1849), chefs[1]d’œuvre du musée Hokusai-kan d’Obuse)が開催され、北斎館(長野県小布施町)の全面協力のもと、同館所蔵作品を中心に小布施の北斎作品が160 点以上展示されました。展示作品のうち小布施から原作品を移動することができなかった上町祭屋台天井絵「女浪」と岩松院本堂天井絵「鳳凰図」(通称:八方睨み鳳凰図)については、NTT ArtTechnology とアルステクネが協力し、前者については高精細複製画を、後者については高精細デジタルデータの提供を行いました。

取り組み内容

上町祭屋台天井絵「女浪」高精細複製画
2023 年に NTT ArtTechnology とアルステクネが共同で東町祭屋台天井絵「龍」「鳳凰」(小布施町東町自治会 所蔵、北斎館寄託)および上町祭屋台天井絵「男浪」「女浪」(小布施町上町自治会 所蔵、北斎館寄託)の高精細デジタル化を行っており、「北斎(1760- 1849) 小布施北斎館の名作」展に展示されている高精細複製画の制作には、上記の高精細デジタルデータを 使用しております。デジタル化にはアルステクネの特許技術「三次元質感画像処理技術(DTIP)」が使用されており、原作品のもつ色彩、微細な凹凸、素材の質感まで忠実に再現しております。通常の高精細複製画の仕様とは大きく異なる縁絵は、木枠を使い原作品と同様に立体になっています。さらに新たに技術開発を行い、縁絵の金箔部分の再現に成功しました。縁絵の制作にはローランド ディー.ジー.株式会社に協力いただき、DTIP と同社の UV プリンターにより、金箔や油煙墨の輝きはもとより、箔の皺や微細な窪み、傷に至るまで、現作品を忠実に再現することができました。

「北斎(1760-1849) 小布施北斎館の名作」 ブルターニュ大公城/ナント歴史博物館 2025 年 ©David Gallard

岩松院本堂天井絵「鳳凰図」高精細デジタルデータ提供
岩松院本堂天井絵「鳳凰図」につきましても 2021 年に NTT ArtTechnology とアルステクネが共同で DTIP を用いデジタル化を行いました。この高精細デジタルデータをナント歴史博物館に提供し、同館で原作品の約 40% (面積比)となる間口 396cm、奥行 330cm の「鳳凰図」を制作し、会場の天井に展示しました。(原作品:間口 630cm、奥行 550cm) 寺院の天井絵という本来は移動させることが出来ず、岩松院を訪れなければ鑑賞できない作品を、高精細デジタル化により海を越えたナント市で多くの方にご紹介することができました。その結果、ナントでの展覧会で「鳳凰図」の高精細複製画をご覧になったフランスの多くの方が、実物を鑑賞するため、岩松院を訪れたそうです。

時間によって明るさが変わり、光の入り方によって「鳳凰図」の見え方が変わることを体験できます

「北斎(1760-1849) 小布施北斎館の名作」 ブルターニュ大公城/ナント歴史博物館 2025 年 
©David Gallard(2 枚とも)

開催概要

・展覧会名:「北斎(1760-1849) 小布施北斎館の名作」展
 Exposition Hokusai (1760-1849), chefs-d’œuvre du musée Hokusai-kan d’Obuse
 https://www.chateaunantes.fr/expositions/exposition-hokusai/ 
・会期 :2025 年 6 月 28 日(土)~9 月 7 日(日)
・会場:ブルターニュ大公城 / ナント歴史博物館
 Château des ducs de Bretagne – musée d’histoire de Nantes 4, place Marc Elder 44000 Nantes, FRANCE
 https://www.chateaunantes.fr/ 
・主催:ブルターニュ大公城 / ナント歴史博物館
・共催:一般財団法人 北斎館 https://hokusai-kan.com
・後援:在フランス日本国大使館、小布施町、ナント国際芸術祭「ボヤージュ・ア・ナント」 他

導入したソリューション・サービス